育成系ゲームでブロックチェーン活用 仮想通貨の認知とユーザーの裾野拡大へ

日本初のブロックチェーン・ゲームとして注目を集めている『くりぷ豚』。その開発・運営をグッドラックスリーと共同で手がけるセレスは、モッピーやお財布.comなどポイント関連サービスで存在感を示してきた会社。このタイミングでのブロックチェーン・ゲーム参入にはどのような意図があるのか。【画像】『くりぷ豚』個体同士を交配させるお見合い◆ゲームからインフラ的なバリューチェーン認知拡大『くりぷ豚』は、3Dモデリングされたさまざまな特徴を持つ愛らしい豚のキャラクター「くりぷトン」をコレクションし、交配させ、取引できるゲーム。仮想通貨イーサリアム上のブロックチェーンを使うことで、「くりぷトン」は理論上、3京6000兆通りもの個性を持つ個体が存在可能となっている。「前提として、弊社は物理的には目に見えないポイントというインターネット上の価値を現実の行動に結びつけることを得意としており、その意味では仮想通貨やトークンビジネスとも近しいところにいました。以前より、マイニングから送金アプリまで、仮想通貨やブロックチェーン領域の会社への出資、アプリ開発といったことも継続して行ってきています。今回のゲーム開発は、そうしたインフラ的なバリューチェーンをさらに一般に広く認知してもらい、まず仮想通貨を使ってもらうための取り組みでもあり、すでに日常的に仮想通貨を使っている層にも新たな楽しみを提供するものでもあります」(広報・IR担当/恩田桂吾氏) ゲーム内での重要なアクティビティにはイーサリアムが使われることになり、ユーザーはあらかじめ別途、仮想通貨取引所などで口座を開設、イーサリアムを保有しておく必要がある。「『くりぷ豚』では、ユーザーは卸トン屋で運営側から個体を購入する際や、個体同士を交配させるお見合い、そこから新しい個体が生まれる出産などのタイミングで、一定のイーサリアムを運営側へ支払っていただきます。いわばトランザクションフィーですね。ユーザー同士が交配した個体を値付けし、取引できる市場でも、取引が成立した時点で一定の手数料をいただきます。我々としては、参加者が増えて活発に取引が行われれば行われるほど、運営基盤が安定するということになります。目下のところ、PDCAを回しつつ、経験値として知見を蓄積していくことがまずは肝要だと考えている段階です」◆育成系だけではないゲームシーンでの可能性 ブロックチェーン・ゲームが注目されるきっかけのひとつは、昨年リリースされ海外で話題となった『CryptoKitties(クリプトキティーズ)』というネコの育成ゲーム。『くりぷ豚』と同じくマーケットで育成したネコの取引が可能なのだが、日本円換算で1000万円超えの値段が付くような個体も出現、その投機的な過熱ぶりを含めて波紋を呼んだ。「国内で仮想通貨の口座を持っている人たちは350万人ほどと言われています。投機的な盛り上がりを望んでいるわけでは決してありませんが、逆にあまりにも不活性でも困るというのが正直なところ。いずれにしても、すでにスタートしていますので、ユーザーさんの反応や取引の状況などの様子を見ながら、バランスなどを調整していくことになると思います」 現状では、多様な豚のキャラクターを所有し、交配し、取引するのが主となるゲームだが、今後はそのキャラクターそれぞれに付与された個体としての特徴が進行や結果に影響するような別種のゲームなども投入を予定しているとのこと。こうした、ブロックチェーンを活用してキャラクターやアイテムを個人が所有すること=資産を持つことは、他のゲーム会社の人気タイトルとのコラボレーションなど、将来的な可能性にもつながるのだろうか。「ブロックチェーン上で連結できるかどうかが大前提となる話ではありますが、一般論としてそういう発展の方向も十分に考えられると思います。育成系だけでなく、カードゲームやマルチプレイロールプレイング、スポーツ、格闘アクション系など、キャラクターやアイテムの同一性が担保されていることに意義があるゲームであれば、ブロックチェーン化は進んでいくでしょう」 ゲームに限らず、インターネット上でのブロックチェーン実装が進んでいけば、改ざん不可能で所有権が明確な各種チケットも登場することだろう。一方では、あるアイドルが過去に保有していたことでアイテムの資産価値が高まるといった現象も起きるかもしれない。また、ファンクラブがシリアルナンバー入りデジタルアイテムをリリースし、それをゲーム上で使えばよりプレイの幅が広がるといった仕掛けも可能になってくる。『くりぷ豚』などのブロックチェーン・ゲームによって仮想通貨ユーザーの裾野がどう広がっていくのか、今後も注視したい。(文:及川望)コンフィデンス7月2日号掲載

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