雨台風で波乱です
東京では土曜メインに2歳馬によるサウジアラビアロイヤルC(6日、GIII、芝1600メートル)が行われる。昨年の勝ち馬ダノンプレミアムはその後、朝日杯フューチュリティSも制して最優秀2歳牡馬となり、2着ステルヴィオも同レースで2着に好走。暮れの朝日杯FS、阪神ジュベナイルフィリーズ、来春のクラシックに向けて見逃せない一戦だ。
今年は登録10頭全てがオープン出走経験がない1勝馬だが、グランアレグリア(美浦・藤沢和雄厩舎、牝)が一枚抜けた存在だ。6月3日の東京芝1600メートル戦でデビュー。好位からディープインパクト産駒らしい瞬発力を発揮して楽に抜け出し、余裕残しで完勝した。1分33秒6(良)の勝ち時計も非常に優秀。4カ月の休み明けになるが、入念に乗り込まれており、いい状態で出走できそうだ。
ドラウプニル(栗東・斉藤崇史厩舎、牡)は7月21日の中京新馬戦(芝1600メートル)を勝った後、前走のアスター賞でも2着と好走。キャリア1戦の馬が多いだけに、2戦経験している点はアドバンテージになりそうだ。ディープインパクトの近親にあたり、軽い東京の芝も合うだろう。
サムシングジャスト(栗東・松田国英厩舎、牝)は、8月4日の新潟新馬戦(芝1600メートル)で操縦性の良さを見せて快勝。今回は坂の克服が鍵になるが、上位争いは十分可能だ。
アマーティ(美浦・武井亮厩舎、牝)は8月12日の新潟新馬戦(芝1600メートル)を上がり3ハロン33秒3の末脚を繰り出して差し切り勝ち。こちらも坂の克服が課題だが、期待できそう。
シャドウエンペラー(栗東・岡田稲男厩舎、牡)は重馬場だった9月8日の阪神新馬戦(芝1600メートル)を、好位からしぶとく伸びて勝ち上がった。期待の新種牡馬ジャスタウェイ産駒という点でもレースぶりが興味深い。
【血統】
重賞昇格後の4回の勝ち馬に社台グループ生産馬は皆無。このコースを得意とするディープインパクト産駒は2017年に1、3着しているが、この2頭も非社台馬であった。東京芝1600mで圧倒的なサンデー系を多数抱える社台グループとはいえ、この時期に使ってくる馬には詰めの甘さがあるのかもしれない。なお、2015年1着のブレイブスマッシュ、2016年1着のブレスジャーニーの母系は社台血統で、それぞれスカーレットインク、ダイナカールにたどり着く。これら母系出身のダイワメジャー、ルーラーシップもこのレースとの相性が良いことも覚えておきたい。
【人気】
オープン特別時代から人気サイドで決着することの多いレースである。2004年の3連単導入後の14回で万馬券となったのは6回で、重賞昇格後の1~2着馬はすべて4番人気以内である。とはいえ1番人気は取りこぼしが多く、2007年以降で1着となったのは2011年のアーデントのみ。とくに単勝1.4倍だったサトノフラム(2014年)が10着に敗れるなど、前走で新馬戦を勝ったばかりの馬への過信は禁物である。
◆配当(過去10年)
馬券種 最高配当 最低配当 平均配当
単勝 810円 360円 620円
複勝 330円 110円 190円
枠連 1,510円 450円 905円
馬連 2,100円 500円 1,155円
ワイド 770円 170円 415円
馬単 4,670円 1,010円 2,572円
3連複 3,280円 570円 1,657円
3連単 22,600円 5,040円 10,445円
【脚質】
バックストレッチ、緩やかな3~4コーナー、そして最後の直線がほぼ3等分される東京芝1600m。スピードに乗りやすい一方で先行馬にとっては息が入れにくいとあって、良馬場時はよほどの実力馬でない限り苦戦傾向。良馬場時に4角3番手から押し切った2014年のクラリティスカイ(のちのNHKマイルC馬)はレアケースと考えておきたい。狙いは差し馬タイプだが、キャリアの浅いこの時期は脚質がまだ固まっていない馬のほうが多く、前走までの位置取りは参考程度とすべき。それよりも上がりの速さなど瞬発力の有無をチェックしておきたい
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