焦点:熱狂から冷めたビットコイン市場、大手参入で成熟するか
[ロンドン/ニューヨーク/シンガポール 27日 ロイター] – 乱高下を繰り返し、投資家をハラハラさせ通しだったビットコイン市場だが、専門家によれば、成熟が進み、比較的退屈な安定期へと向かっている可能性がある。
世界各国で規制の動きが広がったことで、ビットコインの取引量は急激に縮小した。ウェブサイトのトップページからは仮想通貨の広告が消え、グーグル検索でも「ビットコイン」が検索上位ワードに入ることはなくなった。
ビットコインが成長を遂げた末にどのような存在を目指しているのか、投資家が理解しようとしている一方で、この代表的な仮想通貨は、自らの存在意義を見失いつつある。
「ビットコインには新しい物語が必要だ」。ニューヨークに本拠を置く投資リサーチ会社データトレックの創業者ニコラス・コーラスは、そう語る。「何らかの形で機関投資家の参加があれば、もう一段伸びる可能性はいくらでも考えられる」
ビットコインの価格は、昨年末の2万ドル近くから7割暴落した後、4月には25%上昇した。
ビットコインをめぐる状況は実際に変化しつつある。
2017年にビットコイン相場が急上昇する原動力となった小口個人投資家は、政府による取引制限措置によって排除され、代わりに仮想通貨ファンド、個人富裕層、既存の金融機関が取引の主役に躍り出た。
大口投資家が大口取引を行う可能性もあるが、そうした取引は、相対取引(OTC)やマッチング・プラットフォームのスクリーンの陰でその姿が見えにくくなってしまう場合が多い。
また大口投資家は、ビットコイン価格の急変動を追いかける可能性も低い。彼らはむしろ、実績には乏しいが有望なブロックチェーン技術の潜在的可能性に興味を引かれているからだ。
仮想通貨分析ウェブサイト、クリプトコンペアがまとめたデータによれば、主要仮想通貨取引所における1日当たりの平均取引高は、昨年12月に約170億ドル(約1兆8700億円)だったのに対し、3月には91億ドル、4月前半には74億ドルにまで減少している。
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