仮想通貨交換業者としての登録を金融庁に申請中の「みなし業者」が申請を取り下げ、実質廃業するケースが相次いでいる。不正アクセスで巨額の仮想通貨が流出したコインチェック事件以降、金融庁は立ち入り検査で実質的に規制を強化。これに対応できない業者が撤退しており、さらに淘汰(とうた)は進む見通しだ。 仮想通貨交換所クラーケンを運営するみなし交換業者「ペイワードジャパン」は6月末までに日本から撤退することを決めた。コスト増が理由とみられ、「日本居住者向けサービスの廃止に伴い、新規アカウント登録は受け付けない」などと告知している。 コインチェック事件以降、金融庁は交換業者に一斉に検査に入り、みなし業者を中心に業務改善命令や業務停止命令を相次いで出した。登録を認められるためのシステム作りやサイバーセキュリティー対策などを優先すべき時に、派手な広告による顧客獲得を優先している事例が多いうえ、顧客資産の私的流用などの事例も見つかったからだ。 指摘を受けた交換業者側はセキュリティー対策強化や、マネーロンダリング(資金洗浄)対策、経営体制の改善などに乗り出したが、一部の交換業者は改善命令を受け入れずに撤退を決定。「大手を除けば、セキュリティー費用のコスト増と運営による収益が見合わない。これでは事業を継続する意味がない」(仮想通貨交換業者)ことが大きいとみられている。 続きを読む
コメント
コメント (0)
トラックバックは利用できません。
この記事へのコメントはありません。