パリ市民による政治活動「黄色いベスト」(Gilets Jaunes)が今週の土曜日に銀行の取り付け騒ぎを計画しているとAP通信が10日に報じた。先進国フランスでは、金融システムをはじめ既存の体制に対する不満が爆発する一方、仮想通貨ビットコイン(BTC)の普及がジワリと広がっており、今週末はパリの取り付け騒ぎをきっかけにビットコインが上昇する可能性がある。
1月12日(土)に取り付け騒ぎを計画
「黄色ベスト運動」が新たな展開をみせている。
『関税徴収官の国民投票』(Collectors’ Referendum)と名付けられた取り組みは、今週土曜日に銀行などの金融機関から全ての預金を引き出すことを支援者に呼びかけている。
メンバーの一人は、フェイスブックにビデオメッセージをアップ。今回の取り組みによって「非暴力で、完全に法的にフランス政府を威嚇することができる。「黄色いベスト」運動の歴史上、予想以上で最も効果的になるに違いない。政治家にとって最悪の日になるだろう」と語っている。
燃料税の引き上げをきっかけに昨年秋にフランス・パリで始まった暴動。燃料税の引き上げはあくまできっかけに過ぎず、本当の要因は、マクロン政権が進める法人税の減税や雇用の規制緩和など「富裕層優遇政策」に対する民衆の怒りだ。実際、マクロン大統領は先月初めに燃料税の引き上げを凍結したにも関わらず、「黄色いベスト運動」が収まる気配がない。今回、ターゲットとなったのは、マクロン大統領の出身である銀行だ。
フランスで広がるビットコイン
パリのビットコイン支持者もこの機会を逃していない。政府に管理されない通貨ビットコインの普及を目指して、様々な工夫を凝らし、黄色いベスト運動を支援している。
フランス人アーティスト、Pascal Boyart氏は7日、ツイッター上にフランス革命をイメージした路上アートに黄色いベストの人々を描いた。ここには秘密のパズルが隠されており、回答できた人には1000ドル相当のビットコインを賞金として出すという。
また、8日付のロイター通信によると、フランスではフィンテック企業Keplerkにより6つのタバコショップでビットコインの購入が新たに可能になった。
導入の直接的な背景にあるのは、タバコ店の販売の減少。タバコ店は、プリペイド型クレジットカードや携帯電話のクレジットなどを導入して収入源の多様化を狙っており、今回のビットコイン購入もその一貫だ。フランスでライセンスを持つタバコショップは全国で2万4000。さらなるビットコイン購入が進めば、フランス人の中でのビットコインの認知度はさらに高まるかもしれない。
ビットコインに上昇圧力?
フランス人が銀行から引き出した預金でビットコインを購入することを期待する声も出ている。仮想通貨投資家のマックス・カイザー氏は先月、ツイッターで次のように述べた。
「もしすべてのフランス人が20%の銀行預金をビットコインに両替すれば、フランスの銀行と政府は崩壊し、流血の事態は避けられる」
フランス人の70%が支持しているという「黄色いベスト運動」。そこに仮想通貨ビットコインはどのように関わっていくのか。そして、ビットコインを使ってフランス人は権利を取り戻すことができるのか、注目だ。
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