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トルコ・リラは8月10日に対ドルで一時20%急落し過去最安値をつけました。その後も下落トレンドは変わらず、予断を許さない状況が続いています。
為替相場の暴落はトルコ関連の株式などにも影響し、トルコの銀行の連鎖倒産を心配する声も出始めているようです。こういった状況に対しトルコのエルドアン大統領は国民に対して保有しているドルやユーロなどをリラに換えるよう要請しましたが、たいした効果は現段階で表れていません。
米国との関係悪化
トルコ・リラの10日の急落は、米国人の拘束をめぐる米国とトルコとの深刻な対立が経済戦争にまで発展したことに起因します。トランプ大統領は、日本やEUなどと同様にトルコへも輸入品への追加関税を通達しており、これに対しトルコは報復関税で対抗すると息巻いています。事態は収束の気配をみせておらず、トルコをめぐっては政治的・経済的な不安感が渦巻いています。
好調な仮想通貨市場
こういった状況と反対のトレンドを見せたのが仮想通貨市場でした。
リラが急落した10日、トルコの仮想通貨取引所のパリブやBtcturk、コイニムでは取引量が1日で100%以上増加しました。
コインデスクの取材によると、「トルコでは毎日新しい取引所が作られている」という声や、「政治的・経済的な不安やトルコ・リラの弱さにたいする不満がある中、仮想通貨には安心感を覚える」という声が挙がっています。
しかし、仮想通貨への依存のリスクもあるようです。2016年に仮想通貨関連のディスコード・チャンネル(無料のチャットツール)を立ち上げたBit_gossip(安全上の理由のためツイッターネーム)は「ほとんどのトルコ人仮想通貨トレーダー(実質は保有者)は2017年の後半か2018年の第1四半期に始めたのですが、彼らはみな破滅しています。」
自由市場経済の危機
トルコでは独自の仮想通貨を発行する案も浮上していますが、これは自由主義経済圏での実行はハードルが高いため、国際社会やマーケットへのアクセスへの制限が厳しくなるのではないかとうい懸念もあります。
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