仮想通貨を狙い、不可能とされたサイバー攻撃が現実のものとなりました。仮想通貨の安全を担保する「ブロックチェーン」と呼ばれる取り引き記録が改ざんされ、海外の交換会社から仮想通貨が奪われたことがわかり、国内の交換会社が警戒を強めるとともに、金融庁も調査を進めています。
仮想通貨の取り引き記録は「ブロックチェーン」と呼ばれ、世界中の利用者が共有する仕組みになっているため、一部の者による改ざんは事実上不可能とされ、仮想通貨の信用の大前提となっていました。
ところが、今月14日から15日にかけて、何者かがブロックチェーンを改ざんし、海外の交換業者から「モナコイン」と呼ばれる仮想通貨を奪ったことが関係者への取材でわかりました。
その直前に何者かがこの交換業者にモナコインを売却していて、改ざんによって売却の記録を消し、モナコインを不正に取り戻したと見られています。
こうした改ざんを行うには、モナコインのブロックチェーンに関わる世界中の利用者の過半数の承認が必要なため、どうやって改ざんを成功させたのか、詳しい手口はわかっていません。
ブロックチェーンの改ざんが現実に起きたことを受けて国内の交換会社が警戒を強めているほか、金融庁も国内の交換会社に聞き取りを行うなど実態を調査しています。
大手交換会社「ビットフライヤー」の橋本欣典リサーチャーは「これほど大規模にブロックチェーンが上書きされる攻撃は見たことがない。攻撃がこれからも続くのか監視していきたい」と話しています。
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