ホームページを閲覧しただけで、そのパソコンが本人の同意のないまま、仮想通貨を獲得するための「マイニング」と呼ばれるネット上の作業に違法に利用されているとして、関東など全国各地で、警察が摘発を進めています。一方、専門家の中には規制する法律の解釈が十分に定まっていないという指摘もあり、議論を呼んでいます。
マイニングとは、インターネット上で行われる仮想通貨の取引の膨大なデータをコンピューターで計算し、ネット上に記録する作業のことで、誰でも行うことができ、対価として仮想通貨を受け取れます。
このマイニングをめぐっては、ホームページの閲覧者のパソコンが本人の同意をえないまま利用されるケースが、去年秋ごろから全国で相次ぎ、関東など全国各地で警察が摘発を進めています。
警察庁によりますと、13日までに全国の10の県警が合わせて16人を検挙していて、このうち神奈川県警などは、神奈川県平塚市のウェブサイト運営業、荻野剛生容疑者(31)ら2人を、ホームページに特殊なプログラムを設定したうえで、閲覧者のパソコンを無断でマイニングに利用したとして、不正指令電磁的記録供用などの疑いで逮捕しました。
警察庁は、閲覧者に無断で行われるこうした行為が社会的な合意を得ているとは言えず違法だとして、摘発を進めていますが、その一方で、専門家の中には、規制する法律の解釈が十分に定まっていないという指摘もあり、議論を呼んでいます。
この問題に詳しい平野敬弁護士は「ホームページなどの閲覧履歴をもとに配信されるインターネット広告も、閲覧者の同意はえておらず、マイニングをさせるプログラムだけ悪者にされている。法律の解釈が定まっていない中で、警察の一方的な捜査が行われているのが現状で、明確な基準を作るべきだ」と指摘しています。
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