低迷が続いていた代表的な仮想通貨「ビットコイン」の価格がこのところ回復している。ビットコイン価格は今月中旬までは70万円前後だったが、26日までに1ビットコイン=90万円台前半に上昇。背景には米国で、複数の仮想通貨を組み合わせて運用対象とする金融商品「ビットコインETF(上場投資信託)」が実現するとの思惑などがあるもようだ。100万円を超えれば5月上旬以来、2カ月半ぶりとなる。
昨年12月には200万円を超えていたビットコインは今年に入って急落。コインチェック事件のほか、韓国の仮想通貨交換業者がハッキングの被害に遭ったことや、金融庁がビットフライヤーなど仮想通貨交換業者6社に業務改善命令を出したこともあり、6月下旬には60万円台半ばまで下落していた。
ここにきて一気に価格が上がったのはビットコイン市場拡大の期待が高まっているからだ。
世界最大の米資産運用会社ブラックロックはビットコインの可能性を評価するためのワーキンググループを設立。米証券取引委員会(SEC)が8~9月にビットコインETFを承認する可能性もでてきている。ビットコインETFがニューヨーク証券取引所に上場されれば、機関投資家などからの資金流入が予想され、取引の活性化が期待できる。荒い値動きへの警戒などからビットコインの売買を控えていた個人投資家が、適切な投資対象とみなして資金を投じる可能性もある。
ただ、コインチェック事件を機に、国内の仮想通貨交換業者が顧客獲得を優先し、資産保護などの安全管理をおろそかにしていた実態も明るみに出た。このため金融庁は同様の問題が起きないよう交換業者の運営体制を注視していく構えだ。
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