16日の盛岡競馬に、ホッカイドウ競馬から5頭が遠征。堂山、角川、田中淳調教師と顔を合わせ、門別競馬場の話題になったが、15日に水が出るようになり、徐々に日常の生活に戻りつつあると話していた。当面は昼間開催とはいえ、25日から門別競馬が復活することに、安堵の様子を浮かべていた。 その盛岡で行われた、芝1600メートルの2歳重賞「ジュニアグランプリ」は、リンゾウチャネル(牡、北海道・堂山厩舎、父モンテロッソ)が2番手から抜け出して、1馬身半差の完勝。6日の「ウィナーズチャレンジ5」が中止となって、矛先を変えての遠征となったが、しっかり答えを出した。「断水もあったので、体調管理は相当苦労しましたが、長距離輸送がありながら、2キロ増の馬体で出走できたのは何よりでした」と堂山師。また、11日に金沢競馬場で行われた「イヌワシ賞」では、モズオトコマエ(牡4歳、北海道・田中正厩舎、父ネオユニヴァース)が差し切り勝ちを演じたが、厳しい条件の中でもホッカイドウ競馬勢の底力を見せつけた。 19日の「東京記念」は、昨年の道営記念馬・ステージインパクト(牡6歳、北海道・佐久間厩舎)、20日の「園田プリンセスカップ」には、ピュアドリーマー(牝2歳、北海道・田中淳厩舎)、ビービージェンマ(牝2歳、北海道・角川厩舎)、グロリアスカメオ(牝2歳、北海道・齊藤厩舎)、ブレイクフリー(牝2歳、北海道・角川厩舎)が遠征する。そして、23日にはハッピーグリン(牡3歳、北海道・田中淳厩舎)が、盛岡競馬場で行われる「OROカップ」に出走する。このレースには、JRAでの重賞勝ちの実績があるガリバルディ(牡7歳、岩手・桜田康厩舎)も出走予定で、注目の一戦となる。 北海道胆振東部地震の影響で中止が続いていた門別競馬は25日からの再開が発表され、準備を進めていくことになる。北海道軽種馬振興公社の笠原鉄也専務理事は「コースやスタンドなどの施設は幸いにも開催に支障をきたすようなダメージを受けず、13日に能検も無事に行えました。水が戻り、ライフラインにめどが立ったことで、25日から開催することになりますが、この2週で中止となった重賞を何とかやれないか、スケジュールを調整することを考えています」と、再開後の青写真を描く。 節電への協力が全道で続くなか、25、26、27日の3日間は昼間開催が決まった。「昼間とナイターでは、売り上げが大きく変わります。道内の状況を考えると致し方ありませんが、1日でも早いナイターの再開を願うばかりです」と笠原専務理事。札幌ドームでは経済産業省からの2割以上の節電の要請のもと、14日に『節電ナイター』として再開された。札幌ドームで1ゲームを行った場合、通常で約4千キロワットを使用するという。一方、門別競馬場は照明を5時間つけっ放しで行うナイター開催でも、1日の電力使用量は約2400キロワットと言われている。LED照明であることが、大きな節電効果を生んでいるが、ここから2割以上の節電を実施しても、開催に支障をきたすことのない明るさは保てる。 地震の爪痕を考えれば、すぐにナイターができるとは到底思えない状況だ。それでも、地震発生から開催中止が7日間となり、年間の売上目標に大きな影響が及んでいるのは確か。1日でも早くナイター開催ができることを期待したい。(競馬ライター)
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