相変わらず、騒がしい隣国・北朝鮮。懐が苦しいはずの、かの国を強気にさせる資金源はどこにあるのか。「『漫画村』の蓋を開けたら、北朝鮮直営のシノギでしたっていう話ですよ。裏社会でも、北朝鮮が“あっちの分野”で、日本より全然、先を行ってるという話はよく聞きます。特に仮想通貨の知識とハッキングの技術は、あの環境で、半端じゃないレベルです」
こう話すのは、世間的には“半グレ”と称される、東京在住の矢代正氏(28・仮名=以下同)。ここで彼の言う「あっちの分野」とは、「インターネット分野」の意味である。漫画村は、単なる漫画の違法アップロードサイトではなく、トップページにアクセスするだけで、プログラムが起動し、仮想通貨が採掘される仕組みだという。「仮想通貨の採掘とは、現金に置き換えて説明すると、貨幣を発行すること。この手口は、分かりやすく言うと、人のプリンターをこっそり使って、紙幣を偽造するみたいなイメージです」
こう解説するのは、矢代氏の紹介で接触した、現役ハッカーの中島徹氏(32)。「このとき採掘されたのが、モネロという仮想通貨です。モネロは、ビットコインやイーサリアムに比べて匿名性が強く、行方の追跡が難しい特性がある。もちろん、このプログラムを植え込んだ集団が、その特性まで見越しているのは言うまでもありません」(前同)
“億り人”の存在が表面化し、日本人が仮想通貨に狂騒している裏で、北朝鮮のサイバー部隊は粛々と、追跡できない金で懐を肥やし続けていたのだ。「採掘はパソコンに著しい負担をかける作業です。コンピュータの高熱化を防ぐために、空調の設備投資も不可欠。その意味で、寒冷地の北朝鮮には、そもそもの地の利がある。実際、今の世界のサイバービジネスの覇権を北朝鮮とロシアが握っていると考えれば、この地の利が持つ意味は小さくない。例のコインチェック騒動の裏にも、この2か国の影が見え隠れしている」
前出の中島氏はこう解説すると、さらに衝撃のひと言を付け加えた。「漫画村で採掘された仮想通貨の額は、最低でも1兆円レベル。『ワンピース』を違法に無料で読んで得したつもりが、北朝鮮に核爆弾を買ってあげていたようなものですよね(苦笑)」
日本の文化まで、食い物にする北朝鮮のイリーガルサイバービジネス。かの国を信用することは、できそうにもない。
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