サマー2000シリーズ第2戦、函館記念の追い切りが11日、函館競馬場で行われ、上位人気が予想されるトリコロールブルーはWコースで上々の動きを披露。充実一途の4歳馬が好仕上がりをアピールした。また、休み明けのブラックバゴも躍動感あふれる走りを見せ、サンケイスポーツ調教評価で最高の『S』評価。ともに重賞初制覇を狙う。 未明まで降り続いた雨でぬかるんだウッドチップをものともしない、パワフルな動き。三色旗の勢いが届いたかのように、北の大地でトリコロールブルーが躍動した。 「先週にしっかりやって馬は仕上がっているので、気分良く走らせることに重点を置きました。しまいをサッと伸ばして反応を確かめる程度でしたが、時計も予定通り。状態は良さそうです」 またがった藤本助手が好感触を伝えた。朝一番の角馬場で入念に体をほぐしてからWコースへ。単走でゆったりとスタートし、スムーズに折り合う。直線はギアチェンジして、ラスト1ハロン12秒8(5ハロン70秒0)でフィニッシュ。めりはりのきいた走りを披露した。 昨春まではソエなどに悩まされたが、徐々に体質が強化。しっかり攻められるようになり、秘める能力を発揮できるようになった。今年は年明けからの連勝でオープン(大阪城S)を勝ち、前走の鳴尾記念はレコード決着のなか3着。重賞級の実力を証明した。 「年明けくらいから馬の雰囲気が変わってきました。気の入りやすいところがありますが、だんだん大人になって余計なことをしなくなりました」と藤本助手は心身の充実ぶりを証言。函館コースは未経験だが、昨夏に洋芝の札幌で日高特別(1000万下)を快勝した実績があり、気性面から輸送のない滞在競馬もプラスだろう。 馬名の『トリコロールブルー』は、フランス語で仏国旗の青の部分を意味する。騎乗するルメール騎手はフランス出身。レース当日の15日深夜(24時)には、母国がサッカーW杯の決勝を迎えるとあって、一段と気合が入る週末だ。 「距離はぴったりだし、チャンスはある。日曜日が楽しみ。競馬もサッカーも勝つ? そういきたいですね」 陣営が秋のGIを意識する素質馬。さらなる高みを目指すため、そして鞍上は母国のイレブンにエールを送るため、ここで重賞タイトルを手に入れる。(斉藤弘樹)
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