【ロイヤルアスコット開催】レース名に表れる「王室の競馬」らしさ

【TPC秋山響の海外競馬解析】世界で最も華やかな競馬開催といわれる「ロイヤルアスコット開催」が英ロンドン郊外のアスコット競馬場で19日から23日までの連続5日間の予定で行われている。  なにせ舞台となる競馬場は英国王室の所有物で、主催も同じく英国王室。5日間の観客動員は毎年約30万人にも上り、華やかに着飾った紳士淑女が集まることから、「一年のファッションはロイヤルアスコットで決まる」といわれるほどだ。  もちろん、レース自体も極めてハイレベル。  GIに昇格したのは2000年と比較的最近だが、今や欧州の上半期を代表する中距離レースになっている20日のGIプリンスオブウェールズS(芝9ハロン212ヤード)を筆頭に、8つのGIを含む計19の重賞が施行。その総賞金は730万5000ポンド(約11億円)にも上る。華やかさとレースレベルが高い次元で両立しているのがロイヤルアスコット開催の大きな魅力といえる。  なお、王室の競馬というのがよく表れているのがレース名だ。  初日のオープニングレースであるクイーンアンSはアスコット競馬場を1711年に開場したアン女王から取られたもので、プリンスオブウェールズSの“プリンスオブウェールズ”とは王位の法定推定相続人を示し(最年長の王子がウェールズ君主の称号を与えられる)、現在はエリザベス女王の長男であるチャールズ皇太子のこと。  そのチャールズ皇太子と故ダイアナ妃の長男であるウィリアム王子はGIIデュークオブケンブリッジS(訳せばケンブリッジ公S)という自身を冠したレースがあるが、先日、米国人女優のメーガン・マークルさんと結婚して、サセックス公(デュークオブサセックス)となった次男ヘンリー王子のレースは、まだない。

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