3連単が256万馬券となった七夕賞をはじめ、5・7・13番人気で決まった函館記念など、やはり波乱の結末や高配当が続く夏競馬。今週の日曜日は札幌で牝馬限定のクイーンS(GIII・芝1800m)、新潟で夏の風物詩・アイビスサマーダッシュ(GIII・芝直線1000m)が行われる。前者はディアドラ・ソウルスターリングとGI馬2頭が激突、後者はこの1年の重賞勝ち馬がカラクレナイのみの混戦模様と、対照的な2レースだ。 実績馬を破る伏兵が登場するのか? 混戦から抜け出すのはどの馬か? 波乱の続くこの夏の重賞、予想をするにも何かしらもうひと工夫・もうひと要素が欲しいところ。そこで、今回は“調教捜査官”こと井内利彰氏に、「コース」と「最終追い切り」から激走馬を見抜くヒントを、それぞれ日曜日のメインレースが施行される札幌芝1800m・新潟芝1000m・小倉芝1200mに対して伺った。 【札幌芝1800m(クイーンSなど)】 好走の定番は最終追い切り場所が「札幌ダートか函館Wでラスト1Fが最速になるラップ」を踏むこと。レースで走る場所と同じ形状で終いの脚をしっかり使う調教は安定した結果を残します。また「函館Wで5F66秒を切るような時計」は小回りでのスピード能力の高さを示すので人気薄でも狙い。また昨年の札幌開催芝1800mで単勝最高配当だったミスズダンディーは中2週で3本の函館W追い。「本数による強い負荷」も有利な調教パターンです。 【新潟芝1000m(アイビスSDなど)】 未勝利や条件戦では圧倒的なスピードが勝負を決めるコース。ゆえに最終追い切りが「南Wで4F53秒以下」で動けるようなスピード調教が最適。もしくは同じく「南Wを馬なりでラスト1F最速ラップ」もスピード的な瞬発力の能力を示す調教になります。もちろん「美浦坂路で4F目が最速になるようなラップ」も有利な調教パターンのひとつ。ただし栗東所属馬が半数以上出走するアイビスSDになると求められる調教に変化が出てきます。 【小倉芝1200m(日曜小倉メインなど)】 昔は栗東坂路での最終追い切りが圧倒的に有利な成績を残していましたが、近年はCWでの追い切り組も良績を残しています。「栗坂なら2F目と3F目の区間で1秒以上加速するラップ」を踏む、「CWならラスト1Fが最速になるラップ」が有利な調教パターンになります。昨年目立ったのは「小倉競馬場(芝ダ)での最終追い」の好走。輸送競馬よりも滞在競馬の方が体調が整いやすいということでしょうが、今年の酷暑ならこのパターンがより有利かも知れません。 (井内利彰)
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