「ビットコインの計算量問題・脆弱性を抜本解決する新合意形成技術」 東京電機大学 システムデザイン工学部 情報システム工学科 教授 小川 猛志

「東京電機大学 新技術説明会」(2018年10月25日開催)にて発表。https://shingi.jst.go.jp/list/dendai/…

【新技術の概要】
ノードIDとブロック通番に対するディジタル署名と時刻情報のHash値が閾値以下の場合に、当該ブロックの検証者(ノード)とみなすことで、少ない計算量で不正ができない合意形成を実現する。従来技術は数学問題を解く計算量の予測不可能性を利用したが、本技術は公開鍵暗号方式の安全性を利用し1回の計算で検証者を決定可能とした点に特徴がある。

【従来技術・競合技術との比較】
従来技術(PoW)は検証者決定のために膨大な量のHash計算が必要であり、大量の電力を消費する。また豊富な計算リソースを持つ攻撃者からの攻撃を防げない。対案としてPoSが提案されているが検証者当選確率の不正制御、転送遮断攻撃などに対する脆弱性がある。本技術はそれら問題をすべて同時に解決する新たなブロックチェーン技術である。

【新技術の特徴】
・公平で安全な分散合意形成が実現できる
・PoWで必要な膨大量のhash計算を行わず安全な分散合意形成ができる
・マネーロンダリングや、マシンによる取引を防ぐことが出来る

【想定される用途】
・マイナンバーや健康保険番号に基づく分散台帳システム
・銀行口座番号に基づくサーバレス決済システム
・その他、電子マネー、地域マネー、電子投票など既存のブロックチェーン技術で想定されるすべての応用サービス

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